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2009年4月17日 (金)

『リービング・ラスベガス』 絶品!エリザベス・シュー

 イギリス・エンパイア誌が選んだ『落ち込む映画』堂々の第三位。
 落ち込むのは酒で死に行く男に感情移入するからで、惚れた娼婦のつかの間の恋だと思ってみれば、しみじみとした情感が楽しめる。
 
 ニコラス・ケイジがアルコール依存症者を熱演しオスカーを受賞して話題になったが、中身は女性映画で主演のエリザベス・シューだけでチケットの価値ある作品。オスカーは『デッドマン・ウォーキング』のスーザン・サランドンの持っていかれた。

 シナリオライターのケイジは、仕事を酒で首になり死ぬまで飲む目的でラスベガスを訪れる。途中で遭遇するヤクザの一人に、エド・ローターがチラッと見える。知らないと映画ファンとは云えない役者の一人で、オルドリッチの名作『ロンゲストヤード』がベストでしょうか。

 娼婦サラ(シュー)は買った客のケイジに「思わず本名を名乗った」と嬉しそうに話す。懸命のサービスを断った男が自分と同じ恐ろしいほどの孤独に陥っていることを知る。セックスの仕事の場が、思いもよらず恋人同士のような睡眠に。「いつもは別人になろうと芝居をしているのに、自分に戻れた」と寝顔を見守る女。

 一人はもう嫌と同棲を求めるシュー。初めは断る相手に悲しそうな顔を見せ、相手の優しさに泣きそうになるくらい戸惑ういじらしさ。カジノでいきなりキスする男に、聞こえないほど小さな「愛してるわ」の囁き。カジノの用心棒につばを吐きかけるプロの顔とのコントラストも素晴しい。

 愛する時間が重なると娼婦という仕事がつらくなる。べガスを離れて休日を楽しんだり、食欲のない男に、食べやすかろうと米料理をつくったりして、<主婦したい>女心が強くなるが・・・。

 成瀬作品のような女性映画の佳作です。

 

 


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