『レスラー』 プロレスが観たくなった!
プロレスなんぞというものは長年軽蔑の対象でしかなかった。
立派な体格の大人が、避ければ避けれられるパンチを受け、大仰にリアクションをしてみせる。みっともない。スポーツの名に値しないプロレスでチャンピオンとは、さらに奇々怪々。まったく興味の向かない世界だった。この映画を観るまでは。
久しぶりのミック・ロークがオスカー主演賞候補となって有名になったこの作品。まず、プロレス業界(だいぶマイナーらしい)のリアルな描写が、興味津々。
ホームセンターに<凶器>を買い出しに出かけ、<痛くないのを確認>する。小学校の体育館などレンタル料の安い会場に立つリング、対戦の組み合わせは当日試合直前に決まり、レスラーたちが<段取り>に知恵を絞る。他の組と技がダブルと一方が譲るなんて、爆笑もの。周到なリサーチの賜物ですね。先輩に敬意を持って挨拶に出向いたヒール、「遠慮なしに攻撃してください。私はホッチキスを受けますので」。試合が終わってロッカールーム?に戻って来る先輩をスタンディング・オベーションのレスラーたち。ここらへんで不覚にも少しウルウルきましたね。
プロレスを嫌悪していた当方のような野暮にも、新しい世界を理解させてくれる。映画のいいところです。プロレスファンの夢を壊す?営業妨害のような映像がテレビでは観られないし。
面白さのポイント、2つ目。本作が優れた中年映画であること。中年映画なんて、カテゴリーがあるかどうか知らないが、『サイドウェイ』のような中年の本音を扱った作品のこと。例えばです。
余談。名作『サイドウェイ』の版権を日本のプロデューサーが買いリメイクしている。ワインを日本酒に変え、東北あたりの蔵元をめぐるロードムービーにしたかと思いきや、なんとカリフォルニアのワインをめぐる設定をまんま再現するらしい。厚顔無恥。ポール・ジアマッティにカメオ出演を断られたオマケ付き。ポールいわく「ボクのキャリアを貶める」。
中年を広辞苑でひくと「青年と老年の中間の年頃。四十前後の働き盛りの頃」とある。ええ!、じゃこちらは老年かと思い慌てて大辞林のページをくったら「青年と老年との間の年ごろ。現代では、ふつう40歳代から50歳代にかけてをいう」とあり少し安心した。
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